北海道フリー切符の旅(part6)



6月12日


(1)宗谷本線の旅

 朝8時前に札幌駅に到着した。しばらくは、駅内の待合室で待って、アナウンスがかかると駅のホームへ向かった。まだ「スーパー宗谷」は入線しておらず、空港行き快速が停まっていた。空港行きは、かなり混雑していた。

発車してまもなく小樽方向から、261系の「スーパー宗谷」が入線してきた。まずは、外観などを撮る。そしてすぐにグリーン車の車内へ入った。グリーン車に入った瞬間、狭いというイメージを持っていた、がそんな事は無かった。9席だけど、シートピッチの広さがあるから大きく見えるのだろう。グリーン車は2席しか空いていなかった。グリーン席は、案の定283系より劣っていた。音楽なども無く、やはり見劣りしてしまった。札幌周辺では天気が良かったのだが、滝川、深川に来るにしたがって天候が怪しくなり、雨が降ってきてしまった。珍しい事にグリーン車にいたカップルが滝川で降りたのは驚いてしまった。ペア切符でも使っているのだろうか?

旭川で先ほどカップルが座っていたところに老夫婦が座り、札幌発車時点と一緒になった。ここから宗谷本線の細道が始まる。石北本線と新旭川まで並行して走り、しばらくすると、右に石北線が消えていった。線路をチェックすると線型がすごく良かった。しかし、ロングレールではなかった。スピードは130キロ近くを出しているのだろうか?かなり速かった。この261系はカーブに差し掛かると空気音が大きくなり、カーブが終わるとまた空気音がする。これが283系と281系と少し違う点ではないだろうか?永山駅で停車し、反対の上り快速列車と行き違い発車。

士別で上りの「スーパー宗谷」がいた。向こうは、6両編成であった。結構混んでいた。立客もちらほらあった。雨は、いっこうに止む気配が無い。名寄の直前で線型が急に変わった。ここまでは、高速区間ということが良く分かった。10時48分名寄到着。かなりの雨が降っていた。

ここから急にスピードがダウンする。しかし、加速が良いせいなのか、あまりスピードダウンしている気配ではなかった。しかし、カーブやポイントでスピードが落ちて、遅いというのは確かに分かった。美深に着くと鐘が何度もなっていたのが良く分かった。美幸線跡を探すのだが、見つからなかった。11時34分音威子府に到着した。旧天北線分岐駅だからなのか大きな構内であった。

音威子府を発車し、しばらく右の車窓を見ていると天北線跡の路盤と橋を見つけ、それは、大きく右にカーブして先のほうへ続いていた。しばらくすると家並みが消えてしまい、人跡のない地帯を天塩川と一緒に進んでいく。人家が全く無い所に駅のホームがあるが、1両にも満たない物が多かった。ワンマンカーならこれでよいかもしれない。幌延の近くに来ると、宗谷線初のトンネルをくぐる。かなり長いが、これしかトンネルは無かった。

12時34分幌延に到着。旧羽幌線を探すも見つからなかった。駅の広さは分かったのだが。豊富を過ぎサロベツ原野を左車窓からみると北の果てが近づいてくるという感じだ。途中で、兜沼を発見し、抜海を通過し、次は、南稚内の駅名を見るといよいよ果てが近づいてくる。北の果てへ来るとやはり牧場はあった。しかし、ここは馬ではなく、ほとんど牛ばかりであった。しかも線路の手前まで牛がいたのだ。何も無い風景の中を走るとふと小高い丘に上がり海が見えた。ここが利尻富士などが見える場所なのかと感動したが、あいにくの曇りで何も見えなかった。やはり261系でもスピードは遅かった。

しばらくすると「ようこそ稚内へ」という看板を見つけ、稚内に近い事を教えてくれるが、周りを見ても人家はなく、本当に街があるのかどうか疑いたくなるようだ。しばらくいくと家が少し見えてきた。そして国道をくぐると一気に都会に変わってしまった。この国道で一気に変貌するのは驚きだ。すぐに南稚内に到着。南稚内を出ると市街地を走り、時には高架線になったりして13時28分終点の稚内に到着した。

よくみると、あまり乗車率はよくないみたいだ。途中駅でたくさん降りたのだろう。稚内駅を出ると、「うちの宿に泊まらんか」という親父さんに話し掛けられたが、3時間後には、帰るので断る。そのついでに宗谷岬行きのバス乗り場を教えてもらった。少し離れた所にあった。ここもノサップ岬と同様に往復を買うとバス代が少しだけ安くなった。宗谷岬へ行く大岬行きのバスは定刻になっても来る気配が無かった。


(2)宗谷岬の旅

 「バスは、約10分遅れます」というアナウンスが入った。これを聞いた時点で滞在時間がかなり減ってしまった。かなり旅人もいたようだ。長蛇の列となっていた。定刻より7分くらい遅れてバスが入ってきた。バスが満席になって慌ただしく発車した。

一番後ろに座ると地元のおじいさんに声をかけられ、いろいろと会話をした。やはり北海道の人たちは本州の事を内地ということがよく分かった。途中の停留所からは高校生まで乗り込み大混乱。聞けばテストで早く帰るということであった。ものすごい混雑とバスが思いっきり飛ばすためにすごい状態になっていた。途中、宗谷という停留所があり、宗谷岬と間違えて降りていく人がいるそうだ。

約1時間で宗谷岬に到着したが、まだバスにはたくさんの人が乗っていた。降りるとものすごく寒い。しかも海風のため塩辛い感じがした。景色を見ても曇りで視界が全く無かった。とりあえず最北端の碑と証明書をもらい、カメラに撮り、バス停に戻る。気温は7度。かなり冷え込んでいるということがよく分かった。14時52分発のバスは来るのかどうか分からないが、45分頃には、バス停に戻った。

すると、先ほどのバスに乗っていた旅の人と同じであった事が分かり、自然と会話が弾んだ。九州からのフルムーン夫婦はグリーン車乗り放題12日間の旅に。関東からの一人旅の人は、「ぐるり北海道フリー切符」を使っていた。バスの中では、ずっと旅のことで盛り上がり、バスが稚内に着いても駅の待合室でしばらく話していた。どうやら一番先に自分が稚内を出るらしい。お互いに別れてから車止めや稚内公園などをカメラに撮った。まだ時間があるため土産屋や待合室でウロウロとしていた。失敗したことに、北防波堤ドームの見学を忘れてしまった…。

16時40分過ぎに「スーパー宗谷」が入線してきた。とりあえずすぐに改札に並んだ。すぐに車内へ入る。やはり行きと同じ乗務員であった。グリーン車は1席を除いて満席になった。16時53分定刻に発車した。すぐに南稚内に停車。出発してからすぐに旧天北線をチェックする。すると左へカーブしていく廃線跡を確認した。まさしく天北線であった。抜海の丘からの見える海にはやはり利尻などは見えなかった。そして名寄から線型が変わり、パワーアップしたかのようなスピードを上げた。今までのがウソみたいに…。


(3)二回目のB寝台

 「スーパー宗谷」は旭川でグリーン車は半分に減り、21時51分に札幌に到着した。そして「オホーツク」のホームに行くとすでに183系「オホーツク」は入線していた。しかし、急ぐことはなくのんびりとB寝台に入っていく。今回も半分は埋まっていた。またまたアルコールを買って、即ベットにもぐりこんだ。しかし、今回は途中で何度も目を覚ました。よく眠ってしまったと思っても時間があまりすぎていなかったりしていた。何回も繰り返しているうちにふっと目を覚ました。まずは時計を見ると6時前になっていた。次に景色をチェックする。女満別をちょうど出たところであった。ダイヤどおりであるので一安心する。二回目の網走湖を眺めて定刻の朝6時15分に網走に到着した。






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